UNi+(ユニタス)|■第28回 「大学生が扶養を外れるとどうなる?メリットとデメリットを徹底解説!」

「大学生が扶養を外れる」と聞くと、多くの人は税金や保険にどう影響するか気になるところです。
本記事では、扶養から外れることで得られるメリットと、気を付けるべきデメリットを具体的に解説します。
扶養を外れることで得られる自由度の高い働き方や収入の制限を超えることの影響から、税金や社会保険料の負担増などについて分かりやすく紹介。
扶養を外れるか迷っている方に、最適な選択をするためのポイントをお伝えしますので、最後までチェックしてください。

大学生が扶養から外れるとはどういうことか?

扶養から外れるとは、親や家族が受ける税金控除や社会保険上の恩恵がなくなり、大学生が自身で社会保険料を支払う必要が生じることを指します。
扶養の範囲を超える収入や条件が課される場合に発生します。

扶養の定義と仕組み
扶養とは、税金や社会保険の制度上、一定の条件を満たす家族をサポートする際に利用できる仕組み。
親が大学生を扶養する場合、所得税の控除を受けることで税負担が軽減。
また、社会保険上の扶養も重要で、被扶養者として扱われることで健康保険料の負担も軽減されます。
扶養に該当するためには、収入が一定額を超えないことや、被保険者の子供であるなどを満たすことが条件です。

扶養から外れる際の条件
大学生が扶養から外れる条件には、年間の所得が103万円を超える場合や、社会保険料の被扶養者基準(年間収入が130万円未満)を超える収入がある場合などが挙げられます。
所得税控除の観点では、給与所得が基準を超えると親が扶養控除を受けられなくなるため、注意が必要です。
また、一定の年齢や就労状況によっても影響を受ける場合も。
扶養から外れると、学生自身が健康保険や国民年金の支払いをする責任が発生する点も見逃せません。

扶養を外れるメリットとは?

扶養から外れることで、収入の制限がなくなり、より自由な働き方や高収入を得ることができるように。
自立性を高め、キャリア形成に役立つメリットが多数あります。

収入制限がなくなる自由度
扶養に入っている場合、年間の収入が一定額を超えると税金面での扶養控除がなくなるため、収入制限が働きます。
しかし、扶養を外れることで、こうした収入の上限を気にする必要がなくなり、より自由に働くことが可能です。
特に大学生の場合、バイトや短期の仕事において高額な報酬を得る機会が増えます。
将来のキャリアに繋がるスキルを積極的に身につけたり、新たなチャレンジをすることで、自己成長にもつながる点が大きなメリットと言えるでしょう。

高収入バイトやインターンでのキャリア形成が可能に
扶養を外れることで、時給の高いバイトやインターンへの参加も躊躇せず選択できます。特にインターンでは、企業での実務経験を積むことで、卒業後の就職活動やキャリア設計に大いに役立ちます。
また、収入制限を気にしなくてよいので、働きながらスキルアップを図ることで市場価値を高めることが可能。
こうした経験は、自己の視野を広げるとともに、将来的な選択肢を増やす重要な機会となります。

社会保険の保障拡充
扶養を外れることで、学生自身が社会保険に加入する場合、健康保険や年金の保障を直接受けることになります。
これにより、保険の給付条件が充実し、病気や怪我の際の保障範囲が広がるメリットがあります。
さらに、自身で保険料を負担することにより、社会人としての自覚や経済的な独立意識が高まるでしょう。

扶養を外れるデメリットと注意点

扶養を外れることは自由度を増す一方で、税金や社会保険料の自己負担増加など、注意すべきデメリットも存在します。
これらを事前に把握し、賢い選択をしましょう。

所得税や住民税が発生する可能性
扶養を外れると、一定以上の収入を得た場合に所得税や住民税の課税対象となります。
これまで非課税であった収入も課税されることで、実質的な手取り額が減少するケースがあります。
例えば、年間103万円を超える所得を得ると、所得税の課税対象となり、住民税も発生します。
このため、扶養を外れる前に自分の収入がどのように税金に影響するのかをよく理解し、生活費や収支バランスを見直す必要があります。

社会保険料の自己負担
扶養から外れると、健康保険や国民年金といった社会保険料を自己負担する必要が生じます。
これまで親の扶養内で保険料の負担がなかった場合でも、自ら加入する際には毎月の保険料が発生します。
社会保険料の額は収入によって異なるため、収入が多い場合には負担も大きくなりますが、一方で医療保障や年金の充実を得ることができます。
とはいえ、保険料が家計に与える影響を考えた上で、長期的な支払いプランを考えることが重要です。

親の税負担増加の可能性
扶養を外れることで、親の扶養控除がなくなるため、親の所得税や住民税が増加する場合があります。
特に親が扶養控除を受けていた場合、この控除が適用されなくなることで家計全体の税負担が増えることにつながります。
このため、扶養を外れる際には自分だけでなく、家族全体の税負担を考慮し、事前に家族との話し合いを持つことが望ましいでしょう。

大学生が扶養から外れる際の収入ライン

大学生が扶養から外れる際に影響を受ける主な収入ラインは103万円と130万円。
これらを超えると、税金や社会保険の適用が変わるため注意が必要です。

103万円・130万円を超えた場合の影響
103万円を超えると、所得税の扶養控除が適用されなくなり、扶養者である親の税負担が増加します。
具体的には、年間の給与収入が103万円を超えると所得税が課税され、親の税控除額が減るため、家庭全体の税負担が重くなります。
一方、年間130万円を超える収入を得た場合には、社会保険の被扶養者資格を失う可能性があります。
大学生自身が国民健康保険や国民年金に加入し、保険料を負担する必要が生じるのです。

どちらのラインを超えると扶養から外れるのか?
扶養から外れる条件は、税法上の扶養控除と社会保険の被扶養者基準で異なります。
税制上では、年間の収入が103万円を超えると扶養控除の対象外となりますが、社会保険では年間130万円が基準。
つまり、収入が103万円を超えても130万円未満であれば、親の社会保険の被扶養者としては維持されるということです。
ただし、勤労学生控除や収入の内訳によっても異なる場合があるため、正確な判断には各制度の細かな条件を確認するようにしましょう。

大学生のバイトと切っても切り離せない、103万円の壁・130万円の壁については以下の記事も参考にしてください。
■第27回 「大学生のバイトと扶養の関係!103万円・130万円の壁を徹底解説」

扶養を外れると得られる社会保険の保障内容

扶養を外れると、自身で社会保険に加入することにより、より充実した医療保障や年金の給付を受けることができます。

健康保険や年金の加入方法
国民健康保険は自治体の窓口で加入手続きを行い、毎月の保険料を支払う必要があります。保険料は所得や年齢によって異なるため、地域ごとに異なる点にも注意が必要です。
また、年金については、国民年金への加入が基本となりますが、一定の条件を満たすアルバイトの場合、企業の厚生年金に加入することが可能です。
厚生年金に加入すると、年金受給額が将来的に増加するメリットがある一方、毎月の保険料の支払いが増えることも覚えておきましょう。

アルバイトでも加入できる場合の保障内容
一定の条件を満たすアルバイト先では、厚生年金や健康保険への加入が求められる場合があります。
この場合、国民健康保険よりも保険料の負担が軽減されることもありますが、医療保障内容が充実し、病気や怪我の際には保険給付を受けやすくなります。
また、厚生年金に加入することで、年金受給額が増え、老後の生活資金に役立つメリットも生まれます。
ただし、加入条件として労働時間や収入の基準が定められているため、事前に勤務先に確認しましょう。

まとめ

大学生が扶養を外れることには、収入制限の解除や社会保険の充実といったメリットがありますが、税金や社会保険料の自己負担が増えるデメリットも伴います。
扶養を外れることで得られる自由や保障を活かしつつ、家族全体の負担や将来への影響を十分に考慮した判断を心がけることが大切です。